ゲームは褒めるシステムとして完成しすぎている

 艦これイベントをコツコツ貯めた資材を放出してクリアし、攻略中に出なかった艦娘を掘りで1回・3回で当てて狂喜乱舞している如月翔也です。
 結論から言うと「ゲーム」は人を褒めるシステムとして完成しすぎており逆に中毒になるので困るというお話です。

 私はわりとゲームが好きな方だと思うんですが、ゲームのどこが好きかと言われると、いわゆる「報酬系」が働く部分が大好きなんですよね。なので今回はゲームの報酬系の部分のお話をしたいと思います。

 ゲームの報酬系と言うと、簡単に言うとゲームは短い時間で多い回数を的確に褒めてくれるので、「褒めて貰って嬉しい」という感覚からゲームにのめり込む脳の働きを指していまして、私は自己肯定感が非常に低いタイプなのでゲームとは言え何かに褒めて貰えるのは大変嬉しく、ゲームに没頭する原因となるのです。

 もうちょっと詳しく言うと、アナログキーの入力でも艦これの進撃選択でもいいんですが、何かを選択して何かを行って、それが「思う通りに行った」場合というのが報酬をもたらしていて、練習なり習熟なりで思う通りに行く可能性が上がっていくと正当な報酬系となり、プレイヤーのモチベーションに繋がるのです。そしてそれを繰り返す事で習熟がもたらされ、思う通りに行く可能性が上がり、可能性が上がる事でより難しい行為に挑戦でき、それによってモチベーションが向上し、習熟をもたらすという上昇方向の螺旋構造になっているというのが報酬系のゲームシステムの特徴です。

 この報酬系って非常に効果的と言うか、一部の人間にとって致命的なほど効果が高いんですよね。親や兄弟が言って褒めてみせるなんていう以上にプレイヤー本人の肯定感を高めるシステムになっているので、肯定感がキラーワードになっているプレイヤーにとっては人生に等しいほど影響力があるのです。

 冒頭にある私の話でいうと、「コツコツ貯めた資材を放出してイベントをクリア」というのが、コツコツ貯める事に対してイベントクリアという報酬が与えられており、正のインセンティブが与えられているのです。
 そして「攻略中に出なかった艦娘を掘りで1回・3回で当てて狂喜乱舞」ですが、これも報酬系です。ランダムで結果が異なるものって、「ランダムを引ききる」事でクリアができるので、それだけ繰り返せる事に対しての報酬が「当てる」なのです。ランダムの1回1回は運不運ですが、それを繰り返す事で結果的に褒められる事になり、そしてこれはプレイヤーの能力によってもたらされない部分なので「滅多に手に入らない勲章」なのでインセンティブとして非常に大きいんですよね。
 ガチャゲーではガチャを引いて当てるキャラが尊いのであって、配布されるキャラはコンプリートのため(あるいは他の面を攻略するため)に入手するのであって尊さが違うんですよね。

 そしてここが非常に重要な所なんですが、正の報酬系に対してこの「ランダムによってもたらされる報酬」ってすごく重みがあるんですよ。
 普段は頑張っている事に対して与えられる報酬が運によってもたらされると、プレイヤーは世界に肯定されている実感を受けるんですよね。運の良さは世界から自分の行動に対して与えられるフィードバックとなって感じられるので、ラッキー、と思う事は世界に肯定されていると同じだけの実感を持っている訳です。
 しかし本質的にはゲームにおけるラッキーは「乱数を引き切るだけの試行回数」に対して与えられている報酬に過ぎない訳で、みんなお金なり資材なりをたくさん差し出せば結果論的に与えられるんですが、ラッキーは世界から自分に対して与えられたアドバンテージと受け取られるので嬉しい実感があるわけです。
 ですが実際は乱数を引き切るだけ回数を試行しているだけなんですが、プレイヤーはその瞬間の運の良さを記憶するので物凄く報酬系が作用するんですよね、

 これがガチャ系のゲームの基本的なシステムなんですが、普段から報酬系を刺激しつつ、大事なところは運で刺激する訳なので、ゲームは「人を褒める事」に特化したシステムとして完成しすぎているのです。
 私も自分で分析しつつも艦これ・アズレンの「頑張って貯めて貯めた資材でガチャ」というシステムに対しては抗えませんし、これ完全に中毒ですよね……。
 艦これ・アズレンは「時間」を変換価値にしているので暇人なら問題ないんですが、これが「時間」ではなく「金額」を変換価値にしているシステムだったら破滅は避けられないところだったのです……。

 という訳で私は大金を掴むまでは決してFGOをしない事にしているんですが、FGOのキャラって魅力的なキャラが多くて困りますよね……。

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如月翔也

 ガジェットとAppleとTRPGが大好きな中年男です。文章をとにかく書くのが好きなので毎日のように色々なブログで文章を打ちまくっています。もし何か心に引っかかるものがあれば私のTwitterをフォローして頂けると更新情報が流れます。